乙女的恋革命ラブレボ



 ―はないちもんめ― ∞









「保健医・・・」



二日酔いでフラフラだった俺に追い討ちをかけたのは
今キノコになってる未知の生命体の弟、だった

結局事の顛末を語ることが無かったキノコと飲み明かした次の日は休むわけにも行かず
キツイ二日酔いを耐えながら学校に向かって

やっと保健室に着いた一時間目の授業中



「お前今授業中だぞ、いいのかサボったりして」

「授業なんかより大事な用があって来たんだよ」



好意を寄せているがわざわざサボってまで保健室に訪れるなど滅多にないので
嬉しいことなのだが今は自分の体調で手一杯なのだ
正直一眠りしてしまいたいのだがそうもいかない



「昨日・・・さ、鷹士の奴
保健医の所に居たんじゃないかと思って」

「あ?なんだ、お前もアイツの事聞いてたのか
今アイツならキノコになって腐ってるぜ、よっぽどフられたのがショックだったんだろ
・・・あんな鷹士は初めて見たぜ」

「・・・そっか」

「フられて傷心なんだ、お前等弟妹が慰めてやらなくてどうするんだよ
ま、慰めてやることで余計にブラコンシスコンが酷くなっても責任は取らないけどな」

「・・・保健医」

「あん?」

「俺さ、鷹士に酷いこと言っちゃって・・・その・・・あれには理由があって」

「はぁ?」

「その・・・保健医だって他の奴と寝た身体のまま本命を抱くなんてしたくないだろ!?
俺・・・昨日ケビンと・・・だから・・・」

「はぁあ??」

「身体ん中にだって残ってたし・・・そんなの鷹士に知られたくなかったっていうか
汚い身体で受け入れたくなかったっていうか・・・そんな、感じで・・・」

「・・・」

「だから嬉しかったんだけど昨日はタイミング悪くてつい嫌だって叫んじゃって・・・
どうしよう、俺、鷹士を凄く傷つけたんじゃないかって・・・今日だって朝一度も顔見せなくて
どうすればいいかなぁ保健医・・・これで俺、嫌われたら・・・もし嫌われたら・・・」

「・・・」



今月は厄だ

そういえば珍しく良く吸ってるタバコがコンビニで品切れだったり
口煩い教師に何度も喫煙を見つかってしまったり
気がつかずに敵に塩を送ってしまっていたり
思い返せば運の悪いことばかり起こっていた気がする

そもそも考えれば解るだろう

あの男が弟妹意外に愛を注がない事ぐらい

そしてアレがの女装だったと言うことぐらい



今月は厄だ



「勘弁してくれよ・・・」



額に手を当てて椅子に座ったまま天を仰ぐ
二日酔いの頭痛が更に酷くなった気がした




フられたのは俺の方らしい


それならトコトン塩を送ってやろうじゃねぇか













「う〜・・・ぎぼじわるい・・・」



先生の部屋から帰ったのは今し方
居間の壁掛け時計に目をやると、丁度午前10時だった
静まり返って人気の無い様子に、ちゃんと二人とも学校に向ったのだと判断して
が学校に行った事実に安堵して、ソファに腰掛ける

確か昨日は先生に誘われるままに飲み続けて

飲み続けて・・・


覚えているわけが無かった


むしろ昨日の最悪な出来事も全部忘れられたら良かったのに、と
1人自嘲の笑みを浮かべて

に拒絶された

その事実だけが俺の胸に残って
なら伝えなければ良かったのだろうか
この思いをずっとひた隠して、ずっとの良き兄で居れば良かったのだろうか
まさか弟に恋心を抱くなんて気がつくわけが無い
ならいっその事気がつかなければ良かった

少しだけ、余計な助言をしてくれた先生を呪う


が帰ってきたら


何事も無かったように笑顔で迎えよう


それがきっと、にとっても、俺にとっても
一番良いことなんだ

でもきっと「兄ちゃんは」という言葉を使う事はないだろう
ただ1つ変化を許してくれるのなら



に対して 「 俺 」 でありたい



(・・・うっ・・・確実にやばいな・・・)
シリアスな思考とは裏腹に昨日大量に飲んだアルコールが身体の限界を超えて
反射的に口元を覆って、一度吐いたほうがいいと胸のムカつきが訴えていた
ノロノロと立ち上がるとゆっくりとした動作で洗面所に向う

途中玄関の前を通り過ぎた所で玄関の扉が盛大な音を立てて開かれた



「鷹士!!」



その声は今学校に居るはずで
間違ってもここには存在するはずの無い愛しい声



「・・・?」



丁度玄関をさしかかっていた俺の姿を捉えるなり
靴を放り投げるように脱ぎ捨てて、俺に向かって走ってくる

その愛しい存在は、速度を落とす事無く遠慮なしに自分の身体に突っ込んできて
支えきれなかった俺はそのままに押し倒されてしまった

そして俺の腹の上に馬乗りになったの顔が満面の笑顔で

きっとこの極上の表情は、一生忘れる事は無いだろう
続いて告げられる一番欲しかった言葉



「俺も・・・鷹士のこと愛してる」

「・・・ぅっ」

「・・・う?」



愛しい存在から告げられた言葉に
俺はまるで天国にいるような幸せに包まれていた

もうそれしか考えられなかった














「小さな復讐だとでも思われれば願ったり叶ったりだな」



二日酔いで頭痛のする頭を抑えながら俺はスパスパとタバコを吸う
ふん、と鼻を鳴らして人の悪い笑みを浮かべると1人鼻歌を歌った
それは十分に頭痛に響くほどの影響を与えたがそれ以上に
今日帰ってからの二人の様子が楽しみで仕方が無かった



「失礼します」



そんな時姿を見せたのはの良い友達の華原
機嫌の良さそうな俺を見て首を傾げる



「また生徒の前で堂々とタバコ吸って・・・知りませんよまた怒られても」

「よぉ華原、同じ志同士、今度からトコトンお邪魔虫でもしてやろうじゃねーか」

「なんですか突然」

「大量にアルコールを摂取した人間が次の日どうなるか知ってるか?」

「やぶからぼうですね・・・今の先生のように二日酔いとか?」

「俺ほどアルコールに慣れてる奴なら二日酔い程度で済むだろうな」

「慣れてない奴は当然吐きますよね」

「そうそう吐くんだよ、さぁて今日はマスクでもしてマンションに入るかな
ところで華原、今日愛しいは先に早退したそうだな
あいつらとうとうできちゃったとか言ったらお前、どうする」

「・・・」

「そういやぁ一年にもを好きな奴が居たなぁ、あいつもグルにしてやるか」



そう、今日の鷹士の状況を事細かに告げて
さっさと帰って言うこと言え、とたき付けて早退を促したのは他でもない俺だ
知らないところでよろしくない組織が結成されている事など知る由も無い
今正に不良教師の思惑通りに

マンションに響き渡るほどの絶叫を上げていた














後書
ここまで読んでくださって有り難う御座いましたw
後日談もUp予定ですのでお楽しみに!
あまり綺麗とは言えない終わり方でしたがそれも後日談で消化にかかりたいと思っております
ご愛読、有り難う御座いました!!